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どーも、ゆーすけです。
アメリカの片田舎の小さな大学で自分の研究室を主宰しています。自分の研究室を持っていると言うことは、研究だけをしていればいい訳ではなく、経営者としての仕事もしなくてはなりません。その仕事の1つに人を雇うと言うものもあります。
人を雇うと言うことは、その人たちが辞めて行く可能性があると言うリスクも同時に背負うことになります。残念ながら経営者以外はいずれはその場を去っていきます。これは経営する者の悲しいさがなんじゃないでしょうか。
つい昨日のことなのですが、僕の研究室からも1人のメンバーが去っていきました。彼は僕が今の大学に移る前にいた研究室から一緒に働くようになって、その後僕が今のところに移る時に一緒に付いてきてくれて研究室の立ち上げを手伝ってくれました。足掛け8年近くの付き合いでした。
研究室の立ち上げから約5年間苦しい時期を一緒に乗り越えてくれた彼ですが、自分のキャリアの次のステップに向かうため僕の研究室から巣立って行くことを決断したのです。

もくじ
その日は突然やってきた
彼は僕と一緒に働き始めた8年前からつい最近まで、本当に自分が何をやりたいのかが決まっていない感じでした。感じとしては、一年ごとに「あれをやりたい」「これをやりたい」と僕に言ってきては、来年にはうちの研究室をやめると言ってくると言うみたい様子を繰り返していました。
それがこの半年前ぐらいから本当に将来のやりたいことの方向性が見えてきたらしく、その頃からことあるごとに「次はこんなことがやりたい」なんて話を僕にしてきて、自分の周りの友達にも宣言している様子でした。それまでは将来にやりたいことがなく、僕の研究室にずっといてもいいって感じだったので、本当にやりたいことが見つかったみたいで良かったなぁなんて軽く思っていました。
そして去年の終わり頃(今からちょうど2ヶ月前ぐらい)に「自分がやりたいことに役立ちそうな仕事が同じ大学内にみつかったのでそれを受けてみたい。だから推薦状を書いてくれ。」と言ってきたのです。それもかなり急なことだったのでびっくりはしましたが、僕にそれをダメという理由はどこにもなく、推薦状を書くことを承諾しました。
そして推薦状を書いた2−3日後には新しい仕事からオファーをもらってそれに就くことを選び、僕の研究室から出て行くことになってしまったのです。本当にあっという間の出来事でした。不幸中の幸いだったのは彼がうちの研究室をやめるまでに1ヶ月半の猶予をくれたことでした(普通は2週間で移動することが多いです)。
ボスは辛いよ
この出来事に関しては本当に晴天の霹靂だったのですが、もうどうしようもできません。しかもボスとして辛いのは、自分の研究室を回して行くためには彼みたいに長くいて研究室の事情をわかっている人いないと困るのですが、その一方で彼の将来も応援してあげなきゃいけないと言うことです。
しかも彼がやめると聞いた数日前には大型の研究費がもらえることがわかったばかりの時だったのです。その頃は「これからやっと上手くいきそうな時だってのになんで今なんだ?」という気持ちと、「新しい一歩を踏み出せて良かったね」という気持ちが入り混じった葛藤の毎日でした。
でももうその状況を嘆いても何も変わることはありません。彼がいなくなることはもう決まってしまってので、そこからはその後に起こるであろうトラブルをできる限り少なくすることを目指して動き出しました。本当は心から応援してあげなきゃいけないのに、他の研究室のメンバーのことや研究室自体のことを考えると「なんて無責任なんだ!」と思ってしまう自分もいたりして、ボスになるって大変なことなんだなぁとこの時本当に痛感しました。
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去る者は追わない方がいい
そして、もう出て行くことはわかっているものの、実は初めのうちは心のどこかで「心変わりして残るなんて言ってくれないかなぁ」なんて思っている自分もいたりしていました。でも日が経つにつれて彼の心がもううちの研究室に向いていないことがわかってきて諦めがつきました。
残念ですがもうこれはしょうがないことです。次が決まっていたらそこに気持ちは向かいます。僕もこれまでいろいろ仕事を変えてきた中でそのような心の変化があったので、そうなってしまうことはよくわかりました。でも、相手が出て行く立場になるのは、初めての経験でした。
「何とかして引き止めよう」と思ってみたり、「いやいや快く送り出してあげよう」と思ってみたり。つくづく自分が嫌になりました。最終的には、やはり快く送り出すのが1番いいのだろうという結論に落ち着き去る者は追わないことに決めました。
やはり気持ちがもう次に向かっている人間を無理に引き止めても何もいいことはありません。そこにもし止まってくれたとしても、何かしらのわだかまりは絶対に残ります。ここでは「去る者は決して追わない方がいい」という教訓を1番辛い方法で学んだような気がします。
まとめ
今回のことは非常に喜ばしいことなのですが、大事な右腕を失ったような気がしてさすがにちょっとこたえました。でもまぁなんとか乗り越えられるとは思っています。そして、僕の持論として
人が自分の人生に現れたり消えたりするのは絶妙なタイミングで起こり、そこには何かしらの意味がある
というものがあるので、今回もこれがたぶん1番いいタイミングなんだろうし、何か意味があるのだろうと思っています。おそらくそれに対する答えがわかるのはもしかしたら相当先なのかもしれません。でも、これがうちの研究室にとっても、彼にとっても最良な選択になるのは間違いないと心から信じています。これまで本当にありがとう!
ゆーすけ
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